亜梨栖は大層機嫌悪く言いました。
「此処から出る方法を一体誰に聞いたらいいの!?」
「探し物は探すと逃げてしまうよ、亜梨栖」
チェシャ猫はまたにんまりと笑いました。
「右でも左でも好きな方へ行ったら良いよ。でも上は駄目だよ。今は通れないから」
「貴方の言うことはちっとも分からない。謎めいた事ばっかりだわ」
「謎は全部、僕が解くよ」
ふと気付くと、いつの間にやらチェシャ猫の身体はすっかり消えてしまっていました。
残っているのは首輪から上と尻尾だけです。
その尻尾もお尻の方からどんどん消えてきたので、亜梨栖はそれをむんずと捕まえました。
「ちょっと、待ちなさいよ」